4毒抜きを始める数か月前、私は鬱になりました。
まさか、自分がなるとは思ってもみませんでした。
若いころ、家庭環境でいろいろと大変な思いをしましたが、体調を崩すことはあっても、心まで折れたことはありませんでした。
仕事がハードだった時も、なんとかなっていた。
だから私は、自分のことを「体は虚弱だけど、心は折れないタイプ」だと思っていたのです。
ご飯が食べられない。動けない。眠れない。
2024年の7月。
突然、ご飯が食べられなくなりました。
もともと機能性ディスペプシアがあるので、食欲がないことはよくありましたが、その時はまったく様子が違いました。
昼ごはんはコンビニのおにぎり1つがやっと。夜ごはんは2、3口食べるのがやっとでした。
「これはおかしいな」と思っているうちに、今度は体が動かなくなってきました。
横になっていないとつらくて、家ではひたすら寝て過ごす毎日。
ソファに座っているのすらもつらくて、横になりたくてたまらない。
体が鉛のようって言いますが、本当にそんな感じ。
それでも仕事にはなんとか行っていました。
歩く速度は老人のように遅くなり、階段は登れなくなり、這うようにしてぎりぎりで通勤していました。
「これはもう、何か重い病気なんじゃないか?」「癌かもしれない」とすら思いました。
病院に行こうと思っても、頭が回らない。
どの診療科にかかればいいのか、調べる気力も判断力もなくなっていたのです。
一睡もできない夜。そして精神科へ
そして、眠れなくなりました。
最初は寝つきが悪いだけだったのに、あっという間に一睡もできない夜が続くようになりました。
眠れないって、こんなに苦しいんですね。
もう3時、もう4時、もう5時、そしてそのまま朝を迎えた時の絶望感ったらないです。
「とりあえず睡眠薬だけでももらわないと」と思い、ようやく近所の精神科を予約しました。
でも初診までは2週間待ち。
そこから薬が効き始めるまでの2週間。
この合計1か月間は、ほんとうに地獄のようでした。
消えてしまいたかった。けれど──
職場の9階の窓から下をのぞきこみ、
コンクリートに叩きつけられる自分を想像して、
「早く、早く、あそこに行きたい」
そう思って、何度も何度も、吸い込まれそうになりました。
あんなに愛しいはずだった子供の将来すら、もう見れなくてもいいと思っていました。
「全部やめたい、今すぐ消えたい」
そんな言葉が、何度も頭の中をよぎりました。
でもそのたび、
「自分は子供を産んでしまった。親なんだから、それだけはしてはいけない」
そうやって、機械のように同じ言葉を頭の中で繰り返し、なんとか踏みとどまっていました。
鬱になった理由が、今でもわからない
不思議なのは、あのとき、これといって悩みごとがあったわけではないということ。
仕事もそれほど忙しくなかったし、人間関係にも大きな問題はありませんでした。
むしろ、「なぜこんなに絶望しているのか、自分でもわからない」──それが一番怖かった。
でも、最近になってちょっと思ったんです。
吉野敏明さんの話を聞いて、ふと思い出しました。
そういえば、あのころ私は──
毎日チョコレートを食べていたなって。
次に続きます。